2024年 呑切りのご報告(2024.7.10)

2024年呑切りの様子

いつも有難うございます。

年にいくつかある酒蔵の重要行事の中に「呑切り(のみきり)」というものがあります。
「呑切り」の呑(のみ)というのは日本酒の貯蔵タンク下部にある小さな栓部分の名称「呑口(のみくち)」のことを指します。こちらを切る=開栓する、という意味で「呑切り」と呼ばれます。
この行事が持つ重要な役割のひとつに、貯蔵した日本酒に異常がないかを確認することが挙げられます。通常、呑切りは気温が高くなってくる6月・7月ごろに行われるのが一般的ですが、それは代表的なお酒の異常である「火落ち」などが気温が上昇してくる時期に現れやすいためです。
大切に育ててきたお酒がタンクの中で異常を起こしていないか、慎重なチェックを行います。

2024年 呑切りの結果

全体として纏まりのある良質の仕上がりでした。近年更なる酒質向上を念頭に行っているさまざまな取り組みの成果が感じられます。前シーズンの懸念点であった米の品質や、年明けの地震の影響もさほど感じられず、良好な貯蔵状態を保ってくれています。

中でも9月に発売予定の「純米吟醸秋酒 ひやおろし」は穏やかな吟醸香とともにほどよい丸みを帯びてきており、仕上がり上々です。今回のひやおろしはこれまでとはややテイストを変え、穏やかな吟醸香に包まれるような心地良い酒質を目指しています。どうぞお楽しみに。

仕込みシーズンも徐々に近づいてきました

今年も滞りなく呑切りを終え、仕込みシーズンに向けて蔵内の整備を進めています。
来期も仕込みの皮切りは90%精米の「90YELLOW」。
昨年は記録的猛暑と少雨の新潟でしたが、今年の夏はきちんと雨が降ってくれることを祈るばかりです。