「原酒造株式会社」は1997年(平成9年)に地元柏崎の農家と契約栽培を始めました。そして2000年(平成12年)には上越市の酒米農家で結成した「E酒米つくろう会」と弊社で酒米の契約栽培を立ち上げました。
契約栽培で作ってもらうことにより、100%生産者のわかる米を仕入れることが出来ます。現行でも米トレーサビリティー法に対応できる体制が整っています。また、年々契約農家の米作り技術も上がり、その年の気候に左右されない安定した品質の良い米が入荷するようになりました。「E酒米つくろう会」の皆様には主に「たかね錦」の作付をお願いしています。たかね錦を作らせたら日本一と自信を持っております。
以前まで農家の方は農作業のない冬期間は出稼ぎという形で酒造りを経験していました。
これから農業を担っていかれる若い人たちにも酒造りを体験することで、よりいっそう酒造メーカーの希望に添う良質な米の生産に向けて努力していただくよう、酒蔵に泊まり込みで酒造工程を体験していただいております。
契約農家の田植えの様子です。「苗半作」という言葉があります。これは良い状態の苗を育てる工程は、稲作工程の半分の作業に相当するといった意味です。田植え前の苗をいかに良い苗にするかでその年の米の状態の善し悪しが決まるといっても過言ではありません。
各契約農家の田んぼを見て回り、農家同士が稲の生育状況などを比べ稲作技術のレベルアップを目指します。
また気候による品質の差をなくすとともに農家さん同士のよいコミュニケーションの場でもあります。
当蔵の特定名称酒に最も使用している酒造好適米で、主に新潟県上越地区の「E酒米つくろう会」契約農家の方々が栽培しています。
山田錦や五百万石と比べるとやや小粒ですが心白(米の中心の白い部分)が小さいため高精白の大吟醸酒などにも向く酒米です。香りは穏やかで味わいに丸くふくらみのあるバランスの良い酒質になる傾向があります。
「越神楽」は、(独)農研機構 中央農業総合研究センターとの共同開発により作られた新品種の酒造好適米です。「山田錦」を母に「北陸174号」を父とする人工交配により十二年の歳月をかけ誕生しました。
神楽とは、豊作を願い古くから神にささげる踊りのこと。神の恩恵の元、新潟清酒を支える酒米として成長することを願い命名されました。柏崎の土地で栽培され、そして柏崎の水で仕込み、柏崎の人が酒を醸す。柏崎の風土と、何よりそこで暮らす人々を大切に思う気持ち、そして地酒の原点 である地産地消の思いから作られた酒米です。大吟醸酒の醸造に素晴らしい適性を持ち、上品な香りと味にふくらみがあり、さらりと心地よいのどごしが特徴です。
米どころ新潟のプライドをかけ、新潟県産の米で新潟のうまい大吟醸酒を造りたい、という思いから越淡麗の開発が始まりました。新潟県農業総合研究所作物研究センター、新潟醸造試験場、そして新潟県酒造組合の共同研究によりその開発期間は十五年に及びました。通常、品種改良では稲の育てやすさを重視しますが越淡麗では酒に仕込んだ時の酒造適性にこだわりました。
母に山田錦、父に五百万石をもつ品種で、収穫期が9月下旬と県内でも十分収穫が可能で、40%以上の高精白に耐える酒米です。酒質は柔らかくてふくらみがあり、淡麗な五百万石や、やや甘みが強く味わいがある山田錦とは異なる酒質を醸します。
「楽風舞」は(独)農研機構 中央農業総合センターとの共同開発により作られた新品種の酒米です。
新潟の代表酒造好適米「五百万石」と「どんとこい」という品種を掛け合わせて誕生した酒米です。現代の温暖な気候に強い品種で栽培農家にとっても非常に栽培しやすいため高品質の米が収穫できます。
酒造適性では五百万石よりも精米耐性があり、淡麗で軽やかな味わいの酒質になるのが特徴です。
新潟県で最も多く作られている代表的な酒造好適米で、新潟県の米生産量が五百万石を突破したことを記念して命名されました。当蔵では契約栽培で入荷し、主にこうじ米に使用しています。粒が大きく心白も大きめなのが特徴で、新潟清酒の特徴である淡麗ですっきりとした味わいの酒質になります。